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矯正歯科専門医院からのお便り 2010年9月 vol.17

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 矯正歯科専門医院からのお便り

 

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こんにちは。
ひるま矯正歯科『ひるまだより』編集部です。

ようやく猛暑を乗り切ったとホッとしていたところへ秋の長雨…。急に寒く
なったので冬物への衣替えや暖房器具の準備などに追われている方も多いはず。
秋の長雨は実は6月の梅雨時よりも降水量が多いそうですね。どんよりした
曇り空が続くと気分までどんよりしてきますが、カラフルな傘やいろんな柄の
あるレインシューズなどで気分を盛り上げましょう!

今の時期の長雨は「すすき梅雨」、3月~4月にかけての長雨は「菜種梅雨」、
11月~12月にかけての長雨は「さざんか梅雨」と言われます。季節の変わり
目に続く長雨は憂鬱なものですが、その季節に合った名前がつけられている
ことを考えると、ちょっとステキな気分になりますね。

それでは矯正歯科専門医院からのお便り、『ひるまだより』35号のテキスト版
をお届けします。

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■ もくじ

□ 特集 ライターSの患者さんインタビュー・
「プライバシーに配慮した診療室が決め手」

□ ヒルマヤスアキのホッとひと息 院長・晝間康明
「早期発見早期治療」

□ fromデータ その5
「う蝕(虫歯)治療」 歯科医師・松原大樹

□ ひるま矯正歯科からのお知らせ

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■ 特集 ライターSの患者さんインタビュー・
「プライバシーに配慮した診療室が決め手」
◎永久歯がはえてこないという珍しい症例のAさんにお話しを伺いました。イン
タビューの内容をダイジェスト版でお届けします。全文はホームページをご覧く
ださい。
https://www.hiruma.or.jp/html/interview/interview03.htm

◇矯正治療を始めようと思ったきっかけは?
――上の左右の3番の乳歯がずっと残っていて、虫歯治療で通っていた地元の歯
医者さんに高校生の頃調べてもらったら、そこには大人の歯がないということが
わかったんです。ビックリしました。

その乳歯が抜け落ちたら歯並びはガタガタになっていくので矯正治療をしなくち
ゃいけないよと言われていたし、それならそうなる前に治療をした方がいいかな
と思って矯正歯科を探し始めました。

◇ひるま矯正歯科を選んだのは?
――初診相談に行って、キレイな医院だな清潔そうでいいなと思いました。それ
と診療室が個室だということが大きかったです。ひるま矯正歯科ほどプライバシ
ーが守られている医院は他にありませんでしたね。初診相談の時から口の中を診
て丁寧に説明してもらえたし診療室も安心できるしここで治療をしようと決めま
した。

◇治療はいかがでしたか?
――最初は本当に痛かった。初めて体験する痛さ。つらかったです。でも一週間
を過ぎる頃には少しずつ噛めるようになってきました。

◇治療中大変だったことは?
――仕事で接客する時に小さな子が私の口元をじーっと見て指差すんです。「そ
れなあに?」って言われることもありました。赤ちゃんに笑いかけても泣き出す
子がいたりして、結構ショックでしたね。でもやっぱり一番大変だったのは、痛
みですね。全般通してやっぱり大変だったな、よく頑張れたなと思います。

◇ひるま矯正歯科はいかがでしたか?
――私の場合は珍しい症例だったようですが、こういう形で治療を進めますと最
初にしっかりとした説明があったので安心して治療に臨めました。

治療の時には、次はこういう治療ですよとか、全体の何分の何ぐらいまできまし
たよと説明してくれてとてもわかりやすかったし、いつごろゴールだというのが
分かると頑張れました。

歯ブラシのやり方は担当衛生士の千田さんに教えてもらいました。きれいに磨け
ていますよと褒められると嬉しかったです。千田さんのクリーニングは本当に気
持ちがよくて寝てしまうことがありました(笑)。

◇痛みに耐えて頑張ったAさん。ニコニコ笑顔が最高に輝いていて、ステキでし
た!(S)

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【解説 — 院長・晝間康明】

●初診時の診断:「中立咬合、両突歯列、左側偏位顎」

Aさんは、上顎の側切歯が先天的に存在せずそのスペースに犬歯が移動し乳犬歯
が残っている事(乳歯の晩期残存)が特徴的な症例でした。その他は下顎骨が左
側に偏位している事で上下歯列の正中がズレており、大臼歯部の咬合関係も左右
非対称、側貌は上下前歯が前方へ突出していました。

治療方針は、上顎は乳犬歯を抜歯し、下顎は上顎の歯の本数に合わせる事、臼歯
関係を左右対称にする事、前歯を後退させて口唇を後退させるために第1小臼歯
を抜歯し口唇突出感の改善と咬合の安定を得る方針としました。

歯を動かす期間を30ヵ月と予定し治療を開始しましたが、歯の動きが予想より
遅く、臼歯関係のズレを改善するのに時間がかかり約35ヵ月の期間がかかりまし
た。治療結果は、上下顎前歯が後退して口唇の突出感も改善、臼歯関係の非対称
性や上下歯列の正中のズレもほとんど無くなり安定した咬合状態を得る事が出来
ました。

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■ ヒルマヤスアキのホッとひと息 院長・晝間康明
「早期発見早期治療」

元サザンオールスターズの桑田佳祐さんが食道癌の手術を受け、無事手術は成功
し退院されました。食道癌は病変が小さいうちであれば予後も良いと報告されて
いますが、食道は声帯に近いので治療により歌が歌えなくなるのではないかと多
くのファンが心配しました。桑田さんの癌は発見が早く病変が小さかったので声
帯への影響も無く予後も良いようです。

サザンオールスターズのアルバムを聞きながら直未先生と鎌倉や湘南をドライブ
し青春時代を過ごしていた私にとって、桑田さんの食道癌のニュースに驚かされ
ましたが手術の無事成功にホッとしました。

悪性腫瘍は放置する事で正常な細胞を破壊し病変が広がり他の臓器へ転移するた
めに生命に危機を及ぼすので、早期発見早期治療が重要です。また、食道のよう
な血液の流れがあり細胞が修復される臓器は手術などにより悪性腫瘍を除去しそ
の範囲が小さければ正常な組織が再生します。では歯科の領域でも早期発見早期
治療が重要でしょうか?

歯科の代表的な病気である虫歯は、歯の表面に付着した細菌が原因で歯を溶かし
てしまう病気です。細菌が放置されていれば悪性腫瘍同様に正常な組織(歯のエ
ナメル質や象牙質)を破壊し歯の生命に危機(歯の神経の除去、抜歯)を及ぼし
ます。

細菌を除去すれば虫歯の進行は止まりますが細菌によって失われた部分は血液の
流れが無く細胞が修復されないので元に戻す事が出来ません。したがって虫歯の
治療では歯が溶けてしまった部分の早期発見早期治療が重要なのではなく、虫歯
菌の早期発見早期除去が必要です。

すなわち、学校検診で歯に黒い穴を発見したら「近くの歯科医院に行って歯を削
って詰める事」は早期発見早期治療ではなく、「虫歯菌がどこに隠れているかを
見つける事」が虫歯の早期発見で、「虫歯菌を除去するクリーニング」が虫歯の
早期治療です。

ひるま矯正歯科は虫歯菌の早期発見のために唾液検査、早期治療のために歯の表
面に付着した細菌を除去するクリーニングを行なっています。

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■ fromデータ その5
「う蝕(虫歯)治療」 歯科医師・松原大樹

最近の歯科界では「MI」という考え方が浸透してきました。MIとは「Minimal
Intervention」の略で直訳すると「必要最小限の侵襲」、つまり歯を削る量をで
きる限り少なくして歯をできるだけ残すという考え方です。

 ◆以前とは違う治療方法

私が学生だった10年程前、う蝕治療は、保持形態・抵抗形態・便宜形態といった
詰め物がいかにとれない様にするため、またう蝕になったところやなりかけてい
るところは再発を防ぐために、罹患歯質(歯の虫歯になっている部分)の完全削
除のみならず健康歯質の切削をすることが一般的な治療方法でした。

しかし最近では材料の接着力の進歩もあり、「出来る限り罹患歯質、とくに細菌
感染しているう蝕病巣の第一層のみの除去」を念頭においたFDI(国際歯科連
盟)が提唱するMinimal Intervention Dentistry(最小限の侵襲に基づく歯科医
学)の概念が重要視されるようになってきました。

 ◆削る必要がある虫歯とは

ではどの程度のう蝕から削って修復しなければいけないのでしょうか?
日本歯科保存学会ではMIを理念としたエビデンスとコンセンサスに基づくう蝕
治療ガイドラインを作成しました。その中で次の所見が認められる場合は感染部
分を切削する修復処置の対象となり、特に複数認められる場合には直ちに修復処
置を行うことを推奨しています。

●歯面を清掃乾燥した状態で肉眼あるいは拡大鏡でう窩(歯の脱灰により出来て
しまった歯の実質欠損)を認める。
●食片圧入や冷水痛などの自覚症状がある。
●審美障害の訴えがある。
●X線写真で象牙質層の1/3を超える病変を認める。
●う蝕リスクが高い。 

ここで、ガイドラインのなかで紹介されている浅いう蝕の治療法に対する論文を
紹介します。

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Foster※2 は、65名成人患者(男性35名、女性30名)の象牙質内1・間で進
行した隣接面う蝕病変をX線写真で36ヶ月間追跡した。病変の29%が8ヶ月以
内に進行し、20ヶ月後には56%、36ヶ月には69%が進行していた。

36ヶ月後、象牙質に0.5・まで進行していた病変(50%)よりも0.5・~1・進
行していた病変(92%)の方が有意に進行していた。したがって修復処置は、
象牙質内に0.5・より深い病変で考慮し、それより浅い病変では予防処置や再評
価を考慮することが推奨される。

また、う蝕が象牙質に達した場合は自覚症状の有無、患者の年齢、う蝕のリスク、
患者の希望、術者の経験などから個々の症例やそのう蝕の進行速度を見極めたう
えで切削をしても良いだろう。

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この論文から、浅いう蝕に対するMIに基づいた歯科治療では各個人のう蝕リス
クによって治療方法が異なることがわかります。

例えばう蝕リスクが高い人の場合、浅いう蝕でも今後大きくなる可能性が高いた
め歯の切削範囲をなるべく少なくするために浅いうちに切削を行うことがある一
方、リスクが低い人には高濃度のフッ素塗布などの予防処置を行い経過観察する
ことで進行を止める治療方針になることがあります。

う蝕リスクを知ること、う蝕にならないような予防管理(メインテナンス)を定
期的に行うことはとても大切なのです。

ひるま矯正歯科では、矯正治療中、隠れていた浅いう蝕が見えてくることがよく
あります。その際、MIに基づき唾液検査の結果(リスク)を考慮し、歯を削っ
て修復したり予防処置を行いながらう蝕の進行を抑制し、歯を長持ちさせること
を心がけています。

参考文献
※1 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会編『う蝕治療ガイドライン2009』
※2 Foster LV Three year in vivo investigation to determine the
progression of approximal primary carious lesions extending into dentine.
Br Dent J.1998;185:353-7

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■ ひるま矯正歯科からのお知らせ

<あなたの矯正治療体験を聞かせてください>

ひるま矯正歯科で治療中または治療を終了された方で取材にご協力いただける
方を募集しています。

● 取材は30分~40分程度、ひるま矯正歯科で行います。

● 取材内容:矯正治療を始めた理由、ひるま矯正歯科を選んだ理由、矯正治
療中、大変だったことなどなど。ひるま先生の面白エピソードなどお持ち
の方は大歓迎!! 『ひるまだより』編集部が取材させていただきます。

● 掲載媒体:ひるま矯正歯科ニュースレター『ひるまだより』・ひるま矯正
歯科ホームページ

● 掲載内容:インタビュー記事、担当医師による症例解説・写真(治療風景
・スタッフとの記念写真・症例写真など)

ご協力いただける方は、お電話かメールでお知らせください。ご協力よろしく
お願いします。

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■ 編集後記

『ひるまだより』35号では、患者さんのAさんにインタビューをしました。
治療は痛かったそうですが、痛みに耐えて頑張ったAさん。ニコニコ笑顔が最
高に輝いていて、ステキでしたよ! ぜひインタビュー全文が掲載されている
ひるま矯正歯科サイトのインタビューページをご覧ください。

『矯正歯科専門医院からのお便り』次号は、11月末ごろ配信いたします。
お楽しみに!(S)

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◎ ひるまだより とは
ひるま矯正歯科で、隔月で発行しているニュースレターです。
下記アドレスからダウンロードできます。
https://www.hiruma.or.jp/html/newsletter_top.htm

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Presented by オーダーメイドの矯正治療《ひるま矯正歯科》

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042(526)3376 
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