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■2546 / 親投稿)  顎位や咬合の見方
□投稿者/ プレーン -(2006/12/11(Mon) 04:40:37)
    おはようございます。
    私の先生は、患者が診察台に仰向けのまま
    「噛み合わせて下さ〜い」と言って、
    顎位や噛み合わせをチェックするのですが
    普段の直立位の顎位とでは違うと思うんです。
    だから、そのまま歯列を整えると
    最終的に噛み合わせが合わないということに
    なりそうな気もするのですが、
    こうしたやり方で大丈夫なのでしょうか?一般的なのでしょうか?
    ひるま先生もこのような見方をされますか?
引用返信

▽[全レス4件(ResNo.1-4 表示)]
■2548 / ResNo.1)  Re[1]: 顎位や咬合の見方
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2006/12/11(Mon) 15:13:49)
http://www.hiruma.or.jp
     まず、顎位については最近の投稿(下記)がありますので、その回答を参考にしてください。
    「2508 中心位」
    http://www.hiruma.or.jp/cgi-bin/treebbs/cbbs.cgi?mode=all&namber=2508&type=0&space=0&no=0

     総義歯(総入れ歯)を作製する場合には、顎に歯がない(無歯顎)ためその人の顎位を探す(決定する)必要がありますので、咬合採得や下顎運動解析などを行なったうえで、それを咬合器にトランスファ(再現)させなければなりません。その運動解析や運動記録を採る時は、背中を起こした座位の姿勢で行ないますが、顎位の安定した有歯顎患者がブリッジ(固定式義歯)や被せもの(金冠など)を入れる場合は、仰臥位(ぎょうがい)つまり<歯科治療で寝かされるいつもの格好>で咬み合わせのチェックをして問題ないと同様、通常の矯正治療における顎位や咬合位を確認するには、仰臥位のまま(ときに下顎を手指で誘導すること)で十分です。
     咬合器や解析機器に重きを置く機能学派からは異論が出そうですが、少なくとも矯正治療中の咬合や顎位のチェックは仰臥位ではいけない、という考えは私にはありません。そもそも矯正用チェア(矯正歯科専用に作られた診療台)の中には、はじめから水平位になっていて背もたれの起きないタイプのものが作られています。(さすがにアダルトの矯正患者が増えた昨今では不評のようであり、頻繁にウガイをするPMTCなどを取り入れた矯正歯科には不向きですが。)
引用返信
■2549 / ResNo.2)  Re[2]: 顎位や咬合の見方
□投稿者/ プレーン -(2006/12/11(Mon) 16:07:04)
    ありがとうございます。
    ひるま先生も寝たまま顎位の位置を診ておられるのですね。
    私は、いつも‘噛み合わせてくださ〜い’と言われると
    意識して噛み合わせを探ろうとする癖があるので、
    どうしても自然な顎位になっているとは思えないのです。
    ましてや寝たままだと引力の関係で下顎が奥に下がったまま
    咬合を作られてしまわないかとか、余計な心配をしてしまい
    ますます悪循環になってしまいます。
    ‘ずばり貴方の顎位はココ!’というようなものは
    専門家といえども分かりにくいものなのでしょうか?
    お任せしてはいるものの、素人である自分自身の過剰な構え方で、
    治療結果に誤差や失敗が生じることが心配でなりません。
    私は考え過ぎなのでしょうか。。
引用返信
■2552 / ResNo.3)  Re[3]: 顎位や咬合の見方
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2006/12/12(Tue) 15:08:59)
http://www.hiruma.or.jp
     <私は‥‥噛み合わせを探ろうとする癖がある>という文言が気になります。これは、仰臥位や座位の問題ではなく、プレーンさんには顎位が安定しない何かがあるのかもしれません。
     年齢の低い子供の場合はともかく、通常は「顎を前に出さないようにして、(ときに術者が手指で顎を軽く押しながら)奥歯で咬んでください」と指示すると、まず大抵は躊躇なく顆頭安定位と考えられる位置で咬んでくれます。
     矯正患者には、中心咬合位という最大面積で咬む位置(その人が咬みやすい下顎の位置)が、顆頭安定位とかなりズレているケースは当然あって、(咬み方が2通りになることから二態咬合(Dual bite)という言い方をしますが)、矯正医はそれを承知して、顆頭安定位に可及的に近い位置が中心咬合位になるように矯正していきます。

     プレーンさんの不正咬合が何で、どんなテクニック(どういう矯正医)で、どのような治療方針か、そして矯正は今どこまで進んでいるかが問題ですが、歯科大学病院が近ければ、そこの矯正科でセカンドオピニオンを受けておくといいかもしれません。もし仮に、顎関節に問題があればその専門の医局員が診査しますので、プレーンさんの場合は、他の矯正歯科でのセカンドオピニオンより大学の方が望ましいと考えます。
引用返信
■3189 / ResNo.4)  Re[4]: 顎位や咬合の見方
□投稿者/ プレーン -(2007/09/06(Thu) 22:36:59)
    2007/09/07(Fri) 10:27:47 編集(投稿者)

    お礼いうの遅れてしまいました。すみません。
    ありがとうございました!
解決済み!
引用返信

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■3185 / 親投稿)  床矯正
□投稿者/ akiko -(2007/09/05(Wed) 22:43:33)
    床矯正の説明には「顎を拡大する」とあります。顔が大きくなるのですか?表情はかなり影響しますか?
引用返信

▽[全レス2件(ResNo.1-2 表示)]
■3186 / ResNo.1)  Re[1]: 床矯正
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/09/05(Wed) 23:25:30)
http://www.hiruma.or.jp
     いわゆる矯正歯科専門開業医(つまり矯正歯科治療に専従する歯科医師)で、床矯正をメインにするものはまずいないので、ご質問に責任を持って答えられる矯正医がいるかどうか。経験がない(つまりやったことがない)専門医ばかりでしょうから、床矯正を大々的に喧伝しているグループなり歯科医なりに聞いていただかない限り。akikoさんのご質問にはここでも<わからない>としかお応えできません。
     最近の過去ログから引用しますが、今月(9月号)の雑誌・日本歯科評論の特集「抜歯・非抜歯の現状」より、
    「非抜歯の結果の上顎前突や、ものが噛めない咬合状態は、明らかな医療過誤であり、気の毒では済まされない。特に拡大床装置による非抜歯の失敗例が後を絶たない。」という元日本矯正歯科学会長の言は重いものがあります。顔が大きくなるとか表情に影響がどうのという前に、床矯正で本質的な点が解決されるのかどうかに慎重であることを進言します。
引用返信
■3187 / ResNo.2)  Re[1]: 床矯正
□投稿者/ YH -(2007/09/06(Thu) 20:20:09)
    割り込みすみません。
    私の場合ですが、床矯正をして表情がかなり変わりました。
    口元が出て、ほうれい線がはっきりしました。
    噛合せも合わなくなったので抜歯して再矯正をしています。

引用返信

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■3181 / 親投稿)  NO TITLE
□投稿者/ さゆり -(2007/09/03(Mon) 21:49:25)
    はじめましてこんにちわ。 わたしは矯正を始めて一年ほどたちます。 最近歯を見ていてブラケットの位置が左右で大きく違うのにきずきました。 その歯の位置も一方は直立、もう一方は若干傾いています。 ブラケットの位置が少しずれてしまっているのではないかと心配なのですが、先生に聞くのは気分を害されるのではないかと不安です。 治療途中にブラケットをはずして付け直すということはあるのでしょうか? またブラケットをつける位置はどのように決めるのか、患者が知るべき事であれば、簡潔でかまわないので教えてください。
引用返信

▽[全レス2件(ResNo.1-2 表示)]
■3183 / ResNo.1)  Re[1]: ブラケットの位置づけ
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/09/04(Tue) 13:10:09)
http://www.hiruma.or.jp
    2007/09/05(Wed) 07:19:14 編集(投稿者)

     ブラケットの位置づけは最終的に歯の位置を決めるものだけに、矯正治療にとっては非常に大事です。具体的には、ブラケットの深さ(高さ)と角度(傾斜)と左右的位置(中央)ですが、細かい点はその先生の用いるテクニックによって異なります(ブラケットの角度は歯根に合わせるのが基本です)。
     さゆりさんは、まずその先生が用いているテクニックを知ることですが、ストレート(アーチワイヤ・テクニック)に属するブラケットは、本来ワイヤに組み込まれるべき曲げが、あらかじめブラケットに仕込まれていますので、ブラケットの位置はすべて<真っすぐに>接着されていなければいけません。スタンダード(アーチワイヤ・テクニック)の場合はその限りではありませんが、左右対称的でないということは通常ありません。
     矯正を開始して一年が過ぎ、左右で明らかにブラケットの位置が異なり、歯の位置にも明瞭な差があるのであれば、さゆりさんは尋ねることに躊躇すべきではありません。先生が気分を害することなどまずないはずですが(それはその先生の人間性の問題ですから何とも言えませんが)、それでもさゆりさんは尋ねるべきです。
     治療途中にブラケットを付け替えることは日常的にあることで、むしろある期間を過ぎた所でチェックし、必要に応じて(時にはかなりの本数のブラケットを)付け替えることが、良質な仕上げには必要です。

     <ブラケットをつける位置はどのように決めるのか>
     本来は患者さんが知らなくて良いことであり、説明も難しいことから、下記サイトの図だけご覧ください。
    (閲覧を確認しましたので、サイトはクローズしました。)
引用返信
■3184 / ResNo.2)  Re[2]: ブラケットの位置づけ
□投稿者/ さゆり -(2007/09/04(Tue) 21:15:50)
    ひるま先生お忙しいところどうもありがとうございました。 治療途中にブラケットを付け替えることもあるということで安心しました。 次回の調整日に主治医の先生に上手く尋ねたいと思います。
解決済み!
引用返信

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■3098 / 親投稿)  非抜歯治療について
□投稿者/ ちなつ -(2007/08/06(Mon) 16:42:18)
    はじめまして。現在、25歳の女性です。半年前に非抜歯矯正をはじめたところです。
    先生のホームページをみせていただきますと、矯正の前に色々検査なさるようですが、私はパノラマのレントゲンしかとっていません。
    インターネットで色々みていたところ、非抜歯矯正をやっていますとうたい文句にしている歯科では、セファロをとりませんというところがおおかったです。
    そして又、そういうところの先生の経歴をみてみると大学で矯正科を卒業なされてないようです。
    私の主治医も、もしかしたらそうかもしれません。
    そして質問なのですが、非抜歯矯正とはセファロなくてもできるものなのでしょうか?
    大学の矯正科で学んでいない先生がするということは、歯をただ並べるだけなのでしょうか?矯正治療というのは、大学で学ばなくてもやってもいいものなのでしょうか?とても心配です。
    もしかして、私の選択は間違いだったかもしれません。
    今の矯正の世界の現実を、教えていただけたら幸いです。
    今後の身の振り方をきめたいと思います。

引用返信

▽[全レス10件(ResNo.6-10 表示)]
■3130 / ResNo.6)  Re[6]: 矯正問題の集大成ー番外
□投稿者/ ちなつ -(2007/08/17(Fri) 15:43:00)
    お返事ありがとうございます。

    ララァさんは、私ではありません。
    よく似た質問ですね。
    すみません。
引用返信
■3140 / ResNo.7)  Re[7]: 矯正問題の集大成ー治療費
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/08/20(Mon) 18:45:40)
http://www.hiruma.or.jp
     矯正は自由診療とはいえ、ちなつさんの掛かっている医院の費用体系は乱暴過ぎて論外として、今回は矯正の治療費について一般的な話をします。
     まず、そもそも医療にかかる費用というのは、弁護士費用と同じように奉仕作業(サ−ビス )に対する報酬(reward)という概念、つまり「医療サ−ビスに対する診療報酬」という考えから成り立っているもので、お店で商品を買う値段(プライス price)とは本質的に異なるものと理解してください。
     我が国では、健康保険(国民皆保険)の導入によって医療サ−ビスが点数化されたため、患者さん側には医療費用が分かり易くなりましたが、本来、画一化できない医療サ−ビスを、一律点数化した所に健康保険制度の問題点があります。その保険制度に歯科矯正治療は組み込まれていません(自費)。自費、つまり先生によって費用が異なることが、逆に矯正の治療費を解りにくくしています。

     矯正治療は、口蓋裂およびある種の先天奇形による咬合異常、外科手術を伴う顎変形症以外は健康保険が適用にならないため、地域や医院によって治療費の額はマチマチで、かなり差があるのが実情です。当然ながら、治療の内容(難易度、期間など)によっても費用は異なりますが、またある面、土地の値段に似た傾向があって、都心部に行くほど高くなるのも確かです。
     いうまでもなく矯正治療方針は、個々のケースに応じて多種多様です。例えば1歯だけ部分的に短期間で治したり、治療を2段階に分け、まず前準備的な治療(1期治療)を行い永久歯列になってから本格的な治療(2期治療)を行ったり、その1期治療だけで済んでしまったり、あるいは永久歯列まで待って直接本格矯正に入ったり、抜歯ケースだったり非抜歯ケースだったりと方針は様々で、それによって治療費もそれぞれに異なります。
     問題は支払い方法ですが、矯正歯科専門医院のおそらく半分ぐらいは総額制をとっています。これは、初めに治療費の総額が決められ、あとは治療にそって、終わるまでにどう分割して支払うか相談で決めるもので、治療が長引いても何度通っても、基本的に変わらないというものです。この総額制のシステムに生じやすい問題は、矯正治療が終っても残金がある場合で、催促に応じなかったり来院しなくなってしまうなど、患者側の倫理感の欠如に起因するトラブルです。
     もう一つある支払い方法は、最初にいくらかのまとまった金額と、通院ごとの支払い(通常は定額)を組み合わせたものです。一般に大学病院はこのシステムで、この仕組みを継承する矯正歯科医院が最近は多いようです。この方法で生じやすい問題は、治療が長引けば長引くほど無制限にお金がかかる所にあります(下手な先生では、と置き換えても結構です)。
     どちらのシステムにもメリット、デメリットはありますが、少なくとも<そのときの先生の気分で金額がきまる>といういい加減なシステムは聞いたことがありません。

     情報として、国立大学の治療費(全国一律)を知っておいても損ではないでしょう。
     大学歯学部・矯正歯科のHP(下記)から、
    http://www.dent.niigata-u.ac.jp/ortho/hp/treat2.html
    矯正歯科治療Q&Aの<Q12.自費治療の矯正料金はどのくらい?>は参考になるかと思います。
     すでにお分かりのように、北海道でも東京でも関西でも九州でも、あくまでも“その医院”の料金システム次第で、結局、治療がすべて終りそれまでに支払った費用の純粋な総額を比較しない限り、高額だったのか安く済んだのかは分かりません。
     矯正治療の費用とは、つまるところ患者さんが十分満足し納得する治療結果を得ることができたかどうか、費用と医療の質に妥当性があったかどうかが大切です。治療費が安くても治療結果が思わしくなかったり、転医して再治療が必要になるようでは<安物買いの銭失い>になります。
     最後に、少なくとも矯正歯科専門医院であれば、まずどこも費用体系はキチンとしているはずです。参考までに当院の治療費を載せたページを記しておきます。
    http://www.hiruma.or.jp/html/chiryouhi_kaiji.htm
引用返信
■3168 / ResNo.8)  Re[8]: 抜歯・非抜歯の現状
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/08/28(Tue) 16:36:29)
http://www.hiruma.or.jp
    2007/08/28(Tue) 16:43:35 編集(投稿者)
    2007/08/28(Tue) 16:42:41 編集(投稿者)

     今月(9月号)の雑誌・日本歯科評論の特集タイトルが「抜歯・非抜歯の現状」でしたので、この回答のために本の到着を待っていました。執筆者の選定に首を傾げる所はありますが、それぞれの矯正医がこの現状をどう見ているのか、できるだけ客観性を持たせるために執筆者の言葉のいくつかを、そのまま下に記します。

    ・矯正治療では、抜歯も非抜歯もそれぞれが必要なのである。診断や治療計画に根拠があるのなら、対立すべき問題ではなく、共存すべきではなかろうか。いずれかの意見に固守することは「どちらも間違い」といわざるを得ない。そもそも「抜歯か非抜歯か」の設問がおかしいのである。
    ・「抜歯論」「非抜歯論」のどちらかを支持するのではなく、症例に応じた総合的かつ個別化した診断により、決定されるべきものと考える。
    ・日本非抜歯矯正研究会が設立され、積極的な活動がなされてきた一方、「非抜歯」という言葉が独り歩きし、“とある”開業医によって「矯正治療に伴う抜歯はいけない」とするような本が一般向けに出版され、矯正歯科を専門とする歯科医師から、「非抜歯原理主義」とか「非抜歯ビジネス」などという拒否反応を受けたりした。
    ・最近、すべての矯正治療を非抜歯でできるかのような、偏った内容の書物やネット上の情報発信が相次ぎ、そのような知識や情報が患者さんとのコミュニケーションを難しくするばかりか、時には相互不信に陥ることがあるのは、大変残念なことである。
    ・非抜歯の結果の上顎前突や、ものが噛めない咬合状態は、明らかな医療過誤であり、気の毒では済まされない。特に拡大床装置による非抜歯の失敗例が後を絶たない。
    ・今後、真のアンチエイジングな歯科医療としての矯正治療の真価が問われることになる。そのときは、歯周組織や加齢変化をも踏まえた診断と治療が必要になるだろう。
    ・個々の症例に応じた予知性のある治療目標を設定し、その結果、仮に抜歯治療を選択することになっても、その根拠が明確なものであれば、患者さん、術者の双方が納得できるはずである。
    ・「抜くべき歯を抜かないのは、抜いてはならない歯を抜くのと同じである」というケース(註)の言葉は、時空を超えて今なお重い響きがある。
    (註)ケース:歯科矯正史上に名高い<1911年の抜歯論争>の当事者
     <特集を終えてー抜歯論争の盲点>
    ・非抜歯論が、これからの歯科矯正の主流として抜歯論と全面的に入れ替わることはあり得ない。抜歯論、非抜歯論のいずれを選ぶかを争うこと自体、無意味である。
    ・「必ず抜く」というのも「絶対に抜かない」という主張も、ともに誤診誤療を招く可能性に大差ない。自らのリスクを公言しているようなものだろう。
    ・失敗例を減らすには、自分に打てないと思われる球には手を出さないことだ。矯正治療は、単に歯を動かせばいい、といった問題ではない。

     以上、抜歯・非抜歯の現状について、歯科雑誌の特集記事からキー・フレイズを抜粋してお伝えしましたが、執筆者のいずれもが、抜歯・非抜歯の選択には綿密な資料の精査、根拠に基づいた診断と治療計画が大切と説いています。非抜歯矯正研究会の執筆者でさえ、“とある”開業医の所業に代表される乱暴な非抜歯矯正治療の横行に憤っているように、問題は、伎倆や診断、治療方針に確かな裏付けのない歯科医が、<歯を抜かない>という聞こえのいい文句で患者を集め、歯を(あえて矯正とはいいません)動かしている現状があり、それを矯正学会や大学、歯科医師会が阻止どころか、警告や指導すらできないところに問題の深刻さがあります。今回の執筆者の一人が「もっと多くの矯正医が、積極的に非抜歯を検討する努力をしてもいいのではないか」といい、「現実がそうでないことに一抹の疑問を感じる」と書いていることは、暗澹とした気持ちにさせます。
     世に非抜歯矯正研究会はあっても、抜歯矯正研究会などありません。非抜歯ケースを一例も持っていない矯正医などいるはずもなく、結局は非抜歯症例の割合がどれくらいかという問題に過ぎません。非抜歯矯正研究会のバイブルであるDr.グリーンフィールドの理論を理解しないわけではありませんが、見慣れた楕円形の歯列とは異質の、半円形をした歯列には抵抗があり過ぎます。
     全国に矯正に関する研究会は少なからずありますが、非抜歯という治療方針そのものを目的に掲げた研究会は、ここしかないように思います。非抜歯という方針を始めから決められていたら、診断も分析も治療方針の決定も必要なくなってしまいます。その安易さに粗悪な非抜歯矯正が氾濫する素地があります。
     非抜歯矯正論者(研究会)は、非抜歯矯正の正当性を声高に喧伝する前に、まず粗悪な非抜歯矯正医を率先して啓発、指導、勧告すべきであり、それが研究会の一員であれば、再教育か除名するくらいの厳しさがあって然るべきです。会の名称は、その責任の所在を表しているといえます。
引用返信
■3180 / ResNo.9)  Re[9]: 抜歯・非抜歯の現状
□投稿者/ ちなつ -(2007/09/03(Mon) 14:12:26)
    たくさん説明をありがとうございました。
    診断してから抜歯、非抜歯をきめるものなのですね。

    こういう文章をよまさせていただきますと、矯正学自体が確立されているものなのか?
    大学で教えられる矯正は、一応教科書があったスタンダードなやり方自体はだいたい確立されているものなのかどうなのか?

    こういう点が気になります。

    矯正のやり方、多少の個々のケースによるずれはあるのは人間だから
    あると思うのですがやり方自体が確立されていないとなると
    矯正をこのままやることにとても不安を感じます。


引用返信
■3182 / ResNo.10)  Re[10]: ひとまず
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/09/04(Tue) 13:08:35)
http://www.hiruma.or.jp
     矯正歯科界の現状について、このあと日本矯正歯科学会、認定医制度、専門医制度などの実状について述べるつもりでしたが、他の仕事が押しているため、ちなつさんへの回答はひとまずここまでとさせていただきます。少なくとも、ちなつさんが今の所で矯正を続けることは、リスクがかなり高いように思いますので、過去ログを参考にされながら、然るべき所でセカンドオピニオンを受けることをお勧めしておきます。
引用返信

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■3176 / 親投稿)  リテーナーの締め付けによる歯の黄ばみとゆれ
□投稿者/ 読 -(2007/09/02(Sun) 07:23:09)
    初めて投稿します。
    今年の5月に歯の矯正が終わり、リテーナーを付けはじめました。6月下旬に出産をしてなかなか歯医者に行けず、掛かりつけの歯医者も3ヶ月いないに来てくださいとのこと。先月末にようやく歯医者に行きました。前歯2本の歯の黄ばみが気になること、前歯のゆれも大丈夫なのか質問しましたが、先生は、リテーナーを付けたことでゆれが来てるのではなく、私の日頃の咬み方に問題があると言われました。歯を前後に動かしていないか、日常の生活を見直すようにとのこと。歯の黄ばみについては、説明してもらえず、うまく交わされてしまいましたが、また聞くつもりではいます。黄ばみがだんだんひどくなっているようで心配です。対処方はあるのでしょうか?ゆれも同じくとても心配です。やわらかいものばかり食べています。返答よろしくお願いします。
引用返信

▽[全レス1件(ResNo.1-1 表示)]
■3178 / ResNo.1)  Re[1]: リテーナーの締め付けによる歯の黄ばみとゆれ
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/09/02(Sun) 20:16:19)
http://www.hiruma.or.jp
    2007/09/03(Mon) 11:48:49 編集(投稿者)

     ご質問は、歯の黄ばみ(着色)とゆれ(動揺)の2点かと思いますが、投稿にある<掛かりつけの歯医者>というのが、読さんの矯正治療をした先生と理解して回答します。また、その先生は矯正専門の歯科医か、矯正治療もする一般歯科医かで回答の仕方が変わりますが、今ここでは深く追求しません。
    1)歯の着色
     歯の着色(変色)には2通りあり、一つは外来性の色素沈着です。歯はカレー、コーラ、コーヒー、赤ワイン、タクアン、タバコなど飲食物の色素が沈着して容易に着色します。そのため、市販の歯磨き粉には研磨材が含まれているものが多いのですが、歯面まで摩耗させたり知覚過敏の遠因になるので、使い方に注意が必要です。
     読さんの場合、リテーナーになってから黄ばみ出したとすると、矯正装置を外した後の歯面の研磨が不十分で、粗面のために沈着しやすくなっている可能性が考えられます。その点を確認してもらい、状況に応じて定期的な歯面清掃(PMTC)や、ブラッシング指導および適切な歯磨剤 についてのアドバイスを受けてください。
    *PMTCについては、このHPの下記ページ中頃をご覧ください。
    http://www.hiruma.or.jp/html/periodontitis_01.htm
     もう一つの着色は病的な原因によるもので、その詳細な解説は省きますが、黄ばみが前歯2本だけというのが気になります。読さんの最初の不正咬合がどういう状態で、どのような治療方針のもとに、どんな治療術式(矯正テクニック)で矯正されたか分かりませんが、稀に矯正治療(歯牙移動)によって歯髄の壊死(神経の死)を起こすことがあります。この時、歯は黄ばむというより徐々にうす暗く変色していきますが、病的変化が起きているかどうかの診断には、一般歯科的な精査が必要です。

    2)歯の動揺(ゆれ)
     リテーナーの締めつけとありますが、リテーナーの目的は動的治療後の歯列・咬合の保持安定ですから、矯正力となるような締めつけはなく、極めて緩やかな状態で装着されるのが普通です。動的治療終了後しばらくは動揺がある場合もありますが、通常は問題になるような程度ではなく、異様な動揺があるとすれば何らかの原因があります。場合によれば、黄ばみ(変色)と動揺は同一の原因ということもあり得ます。
     先生の<私の日頃の咬み方に問題がある>という指摘には必ずしも頷けないのですが、読さんには自覚する特別な習癖があるのでしょうか。そもそも矯正治療の目的が<正しい咬合の獲得>にあるわけですから、矯正治療後に、歯に動揺を与えるおかしな咬み方になること自体おかしいと感じるために、冒頭、先生が矯正専門医かどうかを尋ねました。

     いずれにしてもご質問の2点は、矯正治療後の資料の精査、および初診時資料との比較などによってかなりハッキリします。先生にはもう一度、その資料を見ながらの説明を求めてください。そこで説明に要領を得ない場合は、その資料を借り出して然るべき適切な歯科医に、セカンドオピニオンを求めるのが望ましいと思います。
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