OPひるま歯科矯正歯科質問コーナー

　矯正治療において抜歯は是か非か、この質問コーナーで最も多い質問の一つで、検索から＜抜歯　非抜歯＞をキーワードに過去ログを調べると、今日現在で220件がヒットします。繰り返し解説する時間がありませんので、詳細は過去ログをご覧頂きますが、理論的な問題よりも感覚的な問題として、お子様の矯正治療は待った方がいいような気がします。
　猪口さんは、この投稿のあとにもネットで色々調べられているかと思いますが、＜将来、抜かずに治療できる方法が開発され＞というより、今現在＜当院は歯を抜かない矯正をします＞と謳う矯正歯科は枚挙に暇（いとま）がありませんから、猪口さんは既に心が動かされているかと推測します。
　＜健康な歯を抜いてしまって＞という心配を心の底に持つかぎり、抜歯矯正に踏み切ってもどこかに不信と後悔が残り、非抜歯矯正の情報を見るたびに選択の失敗を悔いそうなナーバスさは、いずれ矯正医との信頼関係を損なう恐れを危惧します。非抜歯矯正の失敗例をイヤというほど見、患者の悲痛な悩みの声を日々聞くものとして、＜本来抜歯矯正であるケースを非抜歯で治すことの怖さ＞だけは記しておきます。
　お子息の年齢から、矯正治療に適した時期であると思いますが、20歳を過ぎても矯正が出来ないわけではりません。お子様本人の矯正に臨む気持ちは分かりませんが、本人が強く望まないのであれば、自分の意思で矯正を受ける時まで待ち、矯正歯科医院や方針の選択も本人に任せ、親御様としては今掛かるはずの費用をその時のために貯めといてあげる。その選択は親の無責任にはならないと思います。

＜参考＞とりあえず新旧2つの過去ログを下に引用しておきます。暇な時にでも目を通してください。
338 /子供の矯正について
http://www.hiruma.or.jp/cgi-bin/treebbs/cbbs.cgi?mode=all&namber=338&type=0&space=0#338
3046 / ブラケットの厚み
http://www.hiruma.or.jp/cgi-bin/treebbs/cbbs.cgi?mode=all&namber=3046&type=0&space=0&no=0

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■3116 / 親投稿)

　セファロ不用？

□投稿者/ ララァ -(2007/08/10(Fri) 09:59:42)

2007/08/11(Sat) 17:30:57 編集(投稿者)
2007/08/10(Fri) 10:25:29 編集(投稿者)

歯の矯正を考えて、色々と調べている最中なのですが、
（ＵＲＬ削除）
歯の矯正治療というのは、こちらのウェブサイトに書かれているように、
『セファロ不用で患者の年齢も関係なく6ヵ月から1年をめどに非抜歯で矯正が完了できてしまう』
ものなのでしょうか？
どの矯正歯科の本を見ても、セファロは矯正治療する上で欠かせないし、とても大切なものと書かれているので、
実際に不要（必要ない）なのかそれとも不用（使わない）なのか、という疑問もあります。
なるべく歯を抜かずに早く終えたいと思っている患者としては興味があります。しかし
他の色々な矯正の本に書かれている事と比べても、
このような方法を謳っているものは殆どありません。。何か特殊な方法なのでしょうか？
それになんだか、視線が患者向けというより同業者向けな感じを受けるのも
少し気になるところですが
こうしたところで矯正をしても大丈夫なのでしょうか？
歯科の中でも有名な大学をでてる先生のようなので、
そんなに突拍子もないことを言っているとは思えないのですがいかがなものでしょうか？
都内でも同じような事を謳っている歯科が一部あるようですが。。
（ＵＲＬ削除）
また、非抜歯なら１年で終わる（動かす量が少ないから？）と言われる先生もいれば
非抜歯だと３年はかかると言われる先生もいるようなので、いったいどちらが正しいのか
よく分かりません。
それと、こちらに書かれている信頼のおける歯列矯正医の条件は概ね正しいと考えて良いでしょうか？
（ＵＲＬ削除）
特に、歯の裏側に装置をつけてコントロールする歯列矯正をしてはいけない
というのは、本当なのでしょうか？
最近、舌側矯正を始めた友達がこれを見て心配しています。

色々、質問してすみません。
お忙しいところお手数をかけますが、よきアドバイスをお願いいたします。

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▽[全レス2件(ResNo.1-2 表示)]

■3117 / ResNo.1)

　Re[1]: セファロ不用？

□投稿者/ 晝間＠ひるま矯正歯科 -(2007/08/11(Sat) 15:58:19)
http://www.hiruma.or.jp

2007/08/11(Sat) 16:09:07 編集(投稿者)

　歯科矯正学講座の主任教授でもない街の一矯正医の意見（つまりここの回答）を、どの程度信用するかはララァさん次第ですが、一言でいえば＜ごく当たり前の矯正＞をする所が一番確かということです。＜ごく当たり前＞を知るためには、＜当たり前でない＞というのがどういうことか、分からなければいけません。
　2002年8月の読売新聞に載った聖マリアンナ医科大学（当時）の山本竜隆医師の言葉が分かりやすく、この質問コーナーでも何度か使わせて頂いているので、改めて引用します。これは、物事の真贋を見分ける心構えとして他にも通用するかと思いますが、矯正歯科向きにコメントを加えて、＜当たり前でない（怪しい）＞歯科医の特長を下に引用します。
１）「何にでも効く」「これだけすれば大丈夫」とうたう。
＊世に万病に効く薬はありません。矯正テクニックにも絶対というものはありません。矯正の治療経験を積めば積むほど、どんなテクニックをもってしてもすべてを非抜歯で矯正できるはずはないと、良質な矯正を目差してきた矯正医ほど知っています。
２）特定の人以外は出来ない方法（教祖のような存在がいる）。あるいは　自分だけしかできない方法。
＊「日本でこれができるのは私だけ」という矯正医が本物だったら、すでに矯正学会のみならず歯科界で超有名になっているはず。
３）高額である。
＊矯正の場合は安過ぎる場合も問題。いずれにしても妥当な額から極端に離れた治療費の医院は何かがあります。
４）科学的根拠または理論が全くない。
＊矯正歯科も日本はもとより世界各国に学会があり、発表された優れた研究や臨床はただちに世界に伝播されます。そこで発表せず、閉鎖された集団の中だけで通ずる理論は２）に該当します。現在、医科・歯科の世界ではEBM（Evidence Based Medicine：証拠・検証に基づく医療）でなければ発表さえ許されません。
５）歴史がない。
＊基本的におかしなものはやがて廃れ消滅します。ことに狂信的な集団は教祖がいなくなれば消滅します。
６）マイナスの側面を伝えない。
＊１）で述べたように完全な矯正術式は存在しません。いいことばかりいうところが危険なのは矯正に限ったことではありません。
７）他の医療体系を批判する。
＊独善的な矯正医はまずほとんどが攻撃的です。誤った唯我独尊の裏返しが他への非難で、自説への反対意見には通常まず耳を貸しません。

　以上が山本先生の「悪徳医の見分け方」ですが、別の角度からもう一点コメントしておきます。
　日本歯科医学会とは、日本歯科医師会の規定に基づいた学術団体で、現在19の専門分科会を擁しています。この19の学会は、いわば＜お墨付き＞の学術団体で、それ以外は法人組織であっても専門分科会とはまったく別の団体です。
　19専門分科会の一つである日本矯正歯科学会には認定医制度があり、その資格取得には当然厳しい関門があります。5年以上学会に所属し、大学の矯正学教室に5年以上在籍、学会の認めた刊行物に論文を発表していることを条件に、自分で治した症例を提出し、審査を通ってはじめて資格が得られます。認定医の資格は5年毎の更新が必要で、提出する症例の資料はかなり厳しく定められているため、矯正医は常に最低限その資料を採ることになります。
　資料は、初診時、動的治療終了時、保定時の各時点で必要ですが、その資料には顔面写真や口腔模型は当然として、頭部Ｘ線規格写真（セファロ）とその分析も必須条件になっています。これらの資料がなければ、審査委員はもとより第三者が症例の評価をしようにも、しようがありません。これら記録は、治療の評価と検証に必要欠くべからざるものであり、矯正医間で症例を討議する際の重要な情報ですから、それを必要ないと宣言するのは、自分の治療に対するEBMを自ら否定しているのと同じです。ララァさんが指摘するHPの歯科医師は、ザッと探した限り矯正を研修したという経歴がどこにも見られませんし、日本矯正歯科学会への所属も、認定医資格の有無の記載も見当たりません。
　以上、ララァさんの疑問に対して直接的な回答は書きませんでしたが、できるかぎり客感的事実をもって回答としました。何をどう信じるかはララァさんの判断次第です。

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■3118 / ResNo.2)

　ありがとうございました

□投稿者/ ララァ -(2007/08/11(Sat) 17:59:56)

2007/08/11(Sat) 18:10:07 編集(投稿者)

大変、詳しく丁寧にご説明をしていただきありがとうございました！！！
直接的でなくとも遠まわしにご配慮しながらの見解を読ませてもらっただけで
業界の仕組みをほぼ理解することができました。
是非とも生き仏のような、晝間先生に診てもらいたいのですが距離的に難しいのが残念です…。
どこの誰とも知れない者、時には礼儀知らずな質問者もいたり、
何の見返りもなく、一銭にだってならないのにも関わらず
（怪しいセミナー開いてお金儲けしてるリンク先の怪しい歯科医師達とは大違い！）
こんなに一生懸命、どのような輩に対しても真剣に向き合って対応されてる晝間先生…
あらゆる分野の専門家を含めても、こんな素晴らしい先生を私は他に知りません。
このバイタリティ、エネルギーはいったいどこから湧いてくるのだろう？と不思議に思うほどです。
遠方から失礼ながらも、東京立川の方角へ合掌させてもらいます。
厳しい猛暑が続いてますが、お体に気をつけて無理をせず、これからも多くの患者様を救ってあげてください。
（万が一、先生にご迷惑がかかるといけないのでリンク先のＵＲＬは全て削除しておきました）
ありがとうございました。合掌

解決済み!

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■3109 / 親投稿)

　矯正のための抜歯　冷凍保存

□投稿者/ happyline -(2007/08/08(Wed) 18:02:57)

こんにちは、私はつい最近矯正治療を始め、将来的に治療の為親知らずの抜歯（小臼歯は抜歯済）が必要なのですが先日インターネットを閲覧していたところ、抜いた健康な歯は「歯の銀行」に預けよう
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/418/418822.html
という記事に遭遇し、そのような取り組みがあるのかと驚きました。

主治医の先生にはまだ相談していないのですが、ひるま先生はこの取り組みをどう思われるでしょうか？（第一のネックとして費用ガ少々高額なことと、走のような取り組みが私たち患者はもちろん一般的ではないということ）　またひるま先生のところではもうこの取り組みを実施したりしているのでしょうか？　夏休み前でお忙しいところ恐縮ですが、お時間のあるときに返答願えたら幸いです。

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▽[全レス1件(ResNo.1-1 表示)]

■3111 / ResNo.1)

　Re[1]: 矯正のための抜歯　冷凍保存

□投稿者/ 晝間＠ひるま矯正歯科 -(2007/08/08(Wed) 18:53:11)
http://www.hiruma.or.jp

2007/08/09(Thu) 07:06:36 編集(投稿者)

　この事業については歯科雑誌に広告が載っていることもあって、結構多くの矯正医あるいは歯科医は知っている話だと思います。
　事業母体は下記の所だと思いますが、正直なところほとんど関心はなく、矯正抜歯をする患者さんに話したことも、相談されたこともありません。　
http://www.teethbank.jp/
　理由はいくつかありますが、根本は今の歯をキチンとした管理プログラムのもとで、定期的なプロケア〔歯科医院側）とホームケア（ご自分の努力）を行なえば、いつまでも歯を失うことなく自分の歯で咬めることができますし、それが一番だと思うからです。
　冷凍保存した歯は、歯根膜は再生しても歯髄が再生するわけではないので、また元の生きた歯に戻るわけではありませんし、抜歯した部位に戻すわけではないので、形態修正が必ず必要です。また、歯を失うような口腔衛生状態にあるから再植することになるわけですから、歯肉や歯槽骨の健康状態や加齢による変化が、その時点で再植に適している状態にあるかどうか、ある種の賭けだと思います。

　21世紀の医療は、遺伝子医療、再生医療、未病医療（聞き慣れない言葉でしょうが、説明を省略）だといわれていますが、ことに再生医療は歯科領域ことに日本の歯周病の領域が最先端を走っているのが現状で、歯槽骨の再生にはES細胞から培養骨を作り出し実用化する段階まで来ています。その先頭にいる専門家は10年後の一般的な普及を予言していますから、予防歯科の発展と相まって、凍結保存した歯が無用になる確率は高いように思います。
　すべてはhappylineさんの心掛けと努力次第ですが、凍結保存をやめなさいというつもりはありません。

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■3102 / 親投稿)

　口臭と虫歯治療と矯正

□投稿者/ たか -(2007/08/07(Tue) 14:23:27)

2007/08/07(Tue) 14:24:27 編集(投稿者)

現在、矯正治療を始めようとしている19才♂です。

口臭を家族に指摘され気になっています。歯磨き粉と何かが混ざったようなにおいらしいです。それからいつもより丁寧に歯磨きをし、ゆすぎも念入りにして、歯石をとってもらったり、舌も磨いたりしていますが、改善されません。虫歯が４本ほど見つかったのですが、それが原因ではないかと思っています。

そういうわけで虫歯の治療を早くしたいのですが、ひるまさんで矯正相談させてもらった際、虫歯の治療を先にしてから、矯正器具をつけるとかぶせ物が取れてしまうので、矯正治療を始めてから？治したほうがいいというようなことを言われました。

このような事情がある場合は、虫歯の治療を矯正より先にするか、口臭を抑えるための何らかの処置をしてもらえるのでしょうか？

よろしくお願いします。

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▽[全レス1件(ResNo.1-1 表示)]

■3104 / ResNo.1)

　Re[1]: 口臭と虫歯治療と矯正

□投稿者/ 晝間＠ひるま矯正歯科 -(2007/08/07(Tue) 20:02:01)
http://www.hiruma.or.jp

　＜ひるまさんで矯正相談させてもらった際＞ということは、すでに当院の初診相談を受けられているということですね。＜矯正治療を始めてから？治したほうがいい＞といったのではなく、まず矯正資料を採り、その分析結果と治療方針が出てから虫歯の治療を始めた方がいい、といったかと思います。それは、あらかじめ虫歯の治療をしてしまうと、たとえばその歯が矯正治療上の要抜歯部位だと、治療方針を立てるのに困ってしまうからです。
　資料はまだ採っていないようですから、虫歯の治療にせよ口臭の問題にせよ、ともあれ当院にご連絡ください。その際、いつ初診相談に見えたかを受付に伝えてください。合わせて＜たか＞のハンドルネームで、2007/08/07に質問している旨も伝えてください。

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■3091 / 親投稿)

　マルチブラケット装置の取替え

□投稿者/ pipi -(2007/08/02(Thu) 19:33:03)

ただいまホワイトブラケットをつけています。それをメタルブラケットに変えたいと思うのですが、変えたいと言っても歯医者さんは嫌な気分にならないでしょうか？
それとやはり接着剤を何度も使っては取ってだと知覚過敏になりやすいのでしょうか？

よろしくおねがいします

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▽[全レス2件(ResNo.1-2 表示)]

■3095 / ResNo.1)

　Re[1]: マルチブラケット装置の取替え

□投稿者/ 晝間＠ひるま矯正歯科 -(2007/08/04(Sat) 22:19:10)
http://www.hiruma.or.jp

　メタル・ブラケットからエステティック・ブラケットに換えたいという希望はよく聞きますが、逆の要望は多分はじめてぐらい希有なことで、矯正医としてはその理由を伺いたいところです。
　現在のところメタルに勝るブラケットはないだけに、術者としては歓迎こそすれ反対する理由は基本的にありません。ただ、付け替える手間や、在庫を用意していなかったり、費用の算定など、嫌がる理由は（小さいながら）それぞれの矯正歯科医院の事情によってあるかと思いますが、ともかく希望を伝えることに躊躇は要りません。
　ブラケットの付け替えで歯面が傷むかどうかは、（理論的な詳細は小難しくなるので省きますが）あまり心配することはありません。知覚過敏は根本的に原因を誤解されているようで、この点に関してはブラケットの付け替えではなく、歯面清掃（ことにブラッシング）の方法論の問題です。詳しくは担当の先生にお尋ねください。

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■3100 / ResNo.2)

　Re[2]: マルチブラケット装置の取替え

□投稿者/ pipi -(2007/08/07(Tue) 00:45:51)

返信ありがとうございます。
メタルブラケットに変えたいワケは、自分自身口元に装置がついていても気にならないタイプなので寧ろ　着色しやすい白よりメタルの方が気兼ねなく食事できると思ってメタルにしたいと思っています。
希望を担当医に伝えてみます。ありがとうございました。

解決済み!

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