| 矯正とは、もともと非侵襲性(傷を与えないという意味合いの医学用語)の治療で、矯正医は、治療の中に侵襲性の処置を取り込むことをあまり好みません。外科矯正は、侵襲性の処置をすべて外科医に委ねますし、その間を入院という外科医の管理下で過ごしますので、矯正医は侵襲性の処置に直接タッチしません。 インプラントは、その埋め込みから矯正治療を通して終了まで、その部の感染や腫脹などに対する外科的管理が要求されます。現に、インプラントのトラブルは矯正医仲間からよく聞かされており、固定歯のコントロールも色々問題があるようで、まだ実験段階である感は否めません。 emilyさんがインプラントの適応症かどうかは分かりませんが、仮に適用出来るケースだとしても、絶対的に必要でないかぎり、当院でインプラント固定という侵襲性の処置を取り入れるには、もう少し時間が必要です。 蛇足ながら、ネット上では、インプラント固定を利用した非抜歯矯正がよく喧伝されていますが、そろそろ失敗例が露呈して問題化して来るように思っています。
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