| 歯には生えてくる順序があり、赤ちゃんは生後6ヶ月頃にまず下の前歯が生えてくるのはご承知のとおりです。永久歯では上顎が6-1-2-4-5-3(-7-8)、下顎が6-1-2-3-4-5(-7-8)の順に生えてくるのが標準とされています。 犬歯(3番)が八重歯になるのは、その萌出(生えること)順序が最後のため、顎が小さかったり歯が大きい人では、犬歯の萌出時にスペースが足りなくてそうなるわけですが、まったく同じ理由で、下顎では萌出順が最後の5番にしわ寄せが来て、解剖学的理由から普通は舌側にはみ出すか埋まったままになります。 前書きが長くなりましたが、はるみさんの左下5番は上述の理由(原因)が当てはまるケースと推測されます。その他、5番の先駆乳歯(第二乳臼歯、E)を虫歯などで早期に喪失(抜歯)したため、後方歯(6番)が前方移動して5番の萌出余地が無くなった場合にも同様の症状になりますが、いずれにしても歯列不正(不正咬合)に違いはありません。 <どうするのが最良か?> はるみさんは不正咬合者であり、矯正治療の適応症であることを認識される必要がありそうです。「35歳はお肌の曲がり角」というコピーがありましたが、はるみさんには、不正咬合を放置していたツケがいよいよ目に見える形で露呈してきたということで、(不快な表現で恐縮ですが)口の中の崩壊の始まりとみることが出来そうです。 最良の方法は、ともあれ矯正歯科専門医に相談されることです。詳しいことはその矯正医が説明するでしょう。その後の選択は、はるみさんの価値観次第です。
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