| 不規則な歯ならびは、口中の唾液や食物のスムーズな流れを妨げ、歯面への歯垢、歯石の付着を促進するとともに、刷掃がしにくいことと相まって、やがて虫歯や歯周病を引き起こします。 歯科治療の定型は、虫歯を削って詰めるー神経をとるようになるー被せるー抜くー補綴物(人工歯)を入れる、その間に歯周病が進行し、残存する健全歯が動揺から脱落(抜歯)の転帰をたどる、このパターンを繰り返すうちに総入れ歯になる、というのが崩壊のプロセスです。 削って人工物を詰めたり被せたりしたものが<もつ年数>は、平均8.5年といわれていますから、この連鎖をどこかで断ち切らないかぎり<80歳で20本(日本歯科医師会による8020運動)>というのは、かなり厳しい数値目標で、確か80歳で14本というのが現実の数値だったかと思います。 日本の健康保険制度は疾病保険のため、予防には保険が適用されません。歯科医は、何らかの歯科疾患があってはじめて治療に対する報酬を得るこの仕組みに、営々として慣れ親しんできたことと、保険があるので痛くなったら歯医者に行って治せばいい、という考えを患者側に植え付けてしまったマイナスの事情があって、はるみさんは、今まで歯科医に通いながら不正咬合を指摘されることもなく、また、矯正の必要性を教えることもせず<5番目の歯を抜き、4番6番の所に金歯をはめる>という、ワンパターンの治療法しか提示しない歯科医を患者側が育ててしまった、というのが日本の歯科の現状といえるでしょうか。
矯正治療と妊娠については、この質問コーナーで過去に何回かお答えしておりますので、<妊娠>をキーワードに検索してみてください。詳しくは矯正医に直接尋ねていただきますが、妊娠していることは始めに必ずキチンと先生に伝えてください。
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