| こんにちは.晝間康明@ひるま矯正歯科です. 下顎の口腔内写真をお送り頂きありがとうございます. 写真を拝見致しましたので,回答させて頂きます.
> 質問1: 第1大臼歯の抜歯例が少ない理由は何故でしょうか? 回答: 大臼歯は,噛む力を最も負担する歯であり,中でも第1大臼歯は歯冠が大きく,歯根も長く負担する割合が大きいため咬合の鍵となる歯です.したがって,矯正治療で大臼歯の抜歯が必要となった場合でも,第1大臼歯の抜歯はできるだけ避けます.しかし,本症例のようにう蝕が進行していて長期的な予後が望めない場合は,第1大臼歯の抜歯もやむを得ないと考えます.
> 質問2: 歯の状態の写真を送付させていただきます。 > 右1と右2のワイヤの長さが、右2と右3のワイヤの長さの > 二分の一以下ですが,このような状態を維持して右2の歯の > 垂直性は保たれるのでしょうか? 回答:写真を拝見させていただくと,下顎右側2番1番が近接し捻転しています.このために同側3番と2番のブラケット間のワイヤーの長さに比べて2番と1番の方が短くなっています.これは,下顎前歯部に歯を並べるためのスペースが不足している事が原因ですので,下顎前歯を唇側に傾斜させる,大臼歯を遠心に移動させる,犬歯間幅径を拡げる(頬側に拡げる),歯を削り歯を小さくするなどの方法で不足しているスペースを確保する対応が必要でしょう.しかし,これらの対応をした事で上顎歯列ときちんと咬合が出来なくなる可能性があるため,下顎の対応方法に合わせて上顎歯列にも対応が必要となる可能性がありますが,上下顎骨の位置関係が不明であるため何とも言えません.また,上下顎歯列を対応させたくても骨格的な問題や歯周組織の問題により対応できない場合もありえます.正確な対応は,きちんとした矯正歯科的な検査や分析が必要な事を御理解下さい.
以上,参考になれば幸いです.
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