| ご質問いただきありがとうございます. 早速ですがお答え致します.
理論的には,アンカースクリューでもヘッドギアでも上顎の大臼歯を近心移動させずに抜歯スペースを最大限に利用することは可能です.ただし,ヘッドギアは上顎骨全体の成長抑制効果があるため成長期にはアンカースクリューよりも有効である場合がある事,取り外し式であるため患者さんの協力が必要となるため充分な協力が得られない場合はその効果も充分に得られないことが考えられます.
また,顎間ゴムは上下の歯を引っ張り移動するため上顎の歯列が前方に移動しないようにするために下顎の歯列を固定源とするため下顎の歯列が前方に移動する力が働くこと,顎間ゴムに引っ張られて大臼歯が挺出する場合があるので下顎が回転して下顎が後退したり下顔面高が大きくなることがあり前歯の後退により口唇突出感の改善が不足することがあるので副次的な効果も考慮して使用します.
したがってお子様の床矯正により突出してしまった前歯を抜歯スペースを利用して最大限に後退させるためには以下の方法が考えられます. 1.ヘッドギアと顎間ゴム(III級ゴム)により上下顎大臼歯の固定を最大限にして抜歯スペースを利用して前歯を後退させる. 2.上下顎にアンカースクリューを埋入して上下顎大臼歯の固定を最大限にして抜歯スペースを利用して前歯を後退させる 3.上顎にアンカースクリューを埋入し顎間ゴム(III級ゴム)により上下顎大臼歯の固定を最大限にして抜歯スペースを利用して前歯を後退させる
しかし,お子さまの年齢や費用的な負担,前歯をどこまで下げればよいのかなどを考えてヘッドギアやアンカースクリューの使用を決定するので,実際にはお口の中や矯正歯科学的な資料を拝見しなければ明確な回答ができないことをご理解ください.
取り急ぎ回答とさせて頂きますが御不明な点があればお気軽にお尋ね下さい
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