| さくら様 ご質問いただきありがとうございます.晝間康明@OPひるま歯科です. 早速ですがご質問にお答えします.
叢生の場合,原因は顎骨に対して歯が大きすぎて並びきらないことであるため,原因除去の治療法は顎骨に対して適正な歯の本数に減じるために抜歯が必要となります. その際,通常であれば上下左右の小臼歯(4番 or 5番)と親知らず(8番)が第1選択となります. しかし,さくらさんのように小臼歯と親知らず以外が欠損しているもしくは予後不良と予測される場合には,欠損したスペースやその歯を抜歯とする診断も多く行っております.このような変則的な抜歯の場合,治療期間が長くなったり,アンカースクリューなどの固定装置が必要となる場合があります.また,歯を失った原因である虫歯と歯周病の予防を行わなければ,矯正治療中もしくは治療後に残した歯も失うことになりますので,まずは予防から開始しメインテナンスを継続する必要があります.
さくらさんのように,上顎右側6,7番が欠損している場合には5番を遠心(後方)に移動し8番を近心(前方)に移動して閉鎖する場合もあるのですが,歯槽骨の幅や高さが十分にあること,骨の改造現象(骨の作り変え)が起きる肉体的な年齢であることが必要となります.ご指摘のように,<歯茎が大きく凹んでいます>という場合には欠損部を閉鎖することが難しくなるかもしれません. 一方で,歯周病の進行状態が<4ミリの歯が1本>という状態は歯周病がコントロールされている状態とも考えられるので,現在残っている歯を守りながら移動できる可能性も残っています.
上記のように,さくらさんの矯正歯科治療は予測が難しくリスクがあるので,右上の欠損部を補綴処置(ほてつしょち:インプラントや義歯などの人工の歯で補うこと)で対応する方法も一つの選択ではあります.しかし,補綴処置はあくまでも,失った歯の状態を復元する治療となり,乱ぐい歯などは改善できず,今後も歯が磨きにくい状況や咀嚼しにくい状況は続くことになります.そして,これらの問題がより重篤化する50代60代で矯正歯科治療を行おうと思っても治療自体ができない可能性が大いにあります. したがって,現在の状態でご希望に沿うように<この欠損部の隙間を歯科矯正でどうにか埋めることは出来ないだろうか>ということは出来ないかもしれませんが,視野を拡げて虫歯と歯周病の予防がしやすい残っている歯を利用した再構築を検討する価値は十分にあると思います.
まずは矯正歯科で診察をして実際のお口の中を診てもらって相談することをお勧めします. その際に,虫歯と歯周病の予防も行える歯科医院で診察を受けることでこれまでのように治療の繰り返しで歯を失うことを防ぐ可能性は高まると思います. よろしければ当院ホームページで紹介している下記のデータも参考にして下さい.
・メインテナンスを行わない場合に起きること→ http://www.hiruma.or.jp/clinic/medicalpolicy/medicalpolicy01
取り急ぎ回答とさせて頂きますが御不明な点があればお気軽にお尋ね下さい
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