実際のレベリングでは、どの様に変化しているのでしょうか?
治療開始から5か月後までの変化を見ていきましょう。
調整の回数は5回、月に一度の治療となるので、5か月かけてアーチワイヤーを段階的に太くしていきました。
アーチワイヤーが太くなるに従い、アーチワイヤーたわみが少なくなり、歯の傾斜や捻転が改善されているのがわかると思います。
ワイヤーは、ステンレススチール製で、直径が0.3mmの太さのものから始まり、0.05mmずつ太くなり、5か月後には0.4mmの太さになっています。
正面からみた治療開始から5ヶ月間の変化
↓治療開始時↓ |
0.3mmのワイヤーが初めて入った状態です。かなりワイヤーが波打っているのが分かります。 |
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↓治療開始から1か月後↓ |
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↓治療開始から3か月後↓ |
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↓治療開始から4か月後↓ |
直径0.4mmのワイヤーが入った状態です。ワイヤーのたわみは小さく、直線的になり歯の傾斜が改善されています。 |
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↓治療開始から5か月後↓ |
右側からみた治療開始から5ヶ月間の変化
↓治療開始時↓ |
横から見てもワイヤーが波打っていることがおわかり頂けるかと思います。特に犬歯が遠心(後ろ側)に回転しているのが分かるかと思います。 |
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↓治療開始から1か月後↓ |
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↓治療開始から3か月後↓ |
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↓治療開始から4か月後↓ |
ワイヤーは一直線になり、犬歯の捻転も改善されてきたのがお分かりになるかと思います。 |
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↓治療開始から5か月後↓ |
左側からみた治療開始から5ヶ月間の変化
↓治療開始時↓ |
左側も右側同様にワイヤーが波打っていることがおわかり頂けるかと思います。特に犬歯が遠心(後ろ側)に回転しているのが分かるかと思います。 |
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↓治療開始から1か月後↓ |
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↓治療開始から3か月後↓ |
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↓治療開始から4か月後↓ |
ワイヤーは一直線になり、犬歯の捻転も改善されてきたのがお分かりになるかと思います。 |
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↓治療開始から5か月後↓ |
上顎面からみた治療開始から5ヶ月間の変化
↓治療開始時↓ |
前歯部でワイヤーのたわみが大きいこと↓が分かります。また、犬歯が遠心に捻転していること○が分かります |
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↓治療開始から1か月後↓ |
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↓治療開始から3か月後↓ |
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↓治療開始から4か月後↓ |
前歯部でのワイヤーのたわみ、犬歯の捻転が大分改善され、歯列全体がきれいなアーチ型になりました。 |
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↓治療開始から5か月後↓ |
下顎面からみた治療開始から5ヶ月間の変化
↓治療開始時↓ |
下顎はあまり大きなたわみが無いように見えますが、小臼歯の近心傾斜(前方への傾斜)が強く注意が必要です。 |
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↓治療開始から1か月後↓ |
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↓治療開始から3か月後↓ |
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↓治療開始から4か月後↓ |
前歯部でのワイヤーのたわみ、犬歯の捻転が大分改善され、歯列全体がきれいなアーチ型になりました。 |
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↓治療開始から5か月後↓ |
矯正治療は、歯の内部にある歯髄への血管を切ることなく歯を動かしてきれいな歯並びをつくる治療です。したがって、あまり早く動かすと血管が切れてまいます。ですから、レベリングを5回おこなうだけでも5か月かかってしまうんですね。インターネットを見ていると、数か月で終わる矯正治療があるようです。私たち専門医にとってこの様な矯正治療は、非常に怪しい矯正治療と考えてしまいます。
では、矯正治療を早く終わらせることはできるのでしょうか?
実は矯正治療をすぐ終わらせるスーパーテクニックも、装置もないのです。
もし、早く終わらせる秘訣があるとするなら、治療の各ステップ毎に、きちんと目的を果たし、無駄な治療期間をできるだけ減らすことだけしかないと考えます。
メジャーリーグ年間最多安打の記録を塗り替え、262本を達成したイチロー選手に、ある記者が大記録達成の秘訣を訊ねました。
すると、イチロー選手はこう答えたそうです。
「大記録達成のために特別なトレーニングをしたわけではなく、日々のトレーニングを淡々とこなした結果が大記録につながった・・・」と。
矯正治療も、一回一回の診療をきちんとおこなうことが治療期間を短くし、きれいな歯並びをつくる秘訣だと考えます。
症例写真の補足情報
- 主訴
- 上顎正中離開の存在により歯を出して笑えない
- 診断名
- 中立咬合、空隙歯列、下突顎
- 年齢
- 21歳6か月
- 抜歯部位
- 下顎第3大臼歯
- 治療期間
- 27カ月
永久歯の矯正治療(Ⅱ期)の目安
- 治療内容
- オーダーメイドのワイヤー矯正装置で治療を実施します。(スタンダードエッジワイズ法)
- 治療に用る主な装置
- マルチブラケット装置、症状により歯科矯正用アンカースクリューを用いる場合もあります。
- 費用(自費診療)
- 約1,280,400円~1,472,900円(税込)
※検査料、月1回の管理料等を含む総額 - 通院回数/治療期間
- 毎月1回/24か月~30か月+保定
- 副作用・リスク
- 矯正装置を初めて装着後は、歯を動かす力によって痛みや違和感が出たり、噛み合わせが不安定になることで顎の痛みを感じる場合があります。
歯を動かす際に歯の根が吸収して短くなる、歯ぐきが下がる場合があります。
治療中は歯みがきが難しい部分があるため、お口の中の清掃性が悪くなってむし歯・歯周病のリスクが高くなる場合があります。
歯を動かし終わった後に保定装置(リテーナー)の使用が不十分であった場合、矯正歯科治療前と同じ状態に戻ってしまうことがあります。 ・
長期に安定した歯並び・噛み合わせを創り出すために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。