予防矯正の充実(お子様の矯正治療)
一生自分の歯で噛むために
私たちがお子様の矯正歯科治療を行う上で目標とするのは一生自分の歯で噛む事の出来るきれいな歯並びになるようお手伝いする事です。
そのためには、乳歯と永久歯の混在する混合歯列期から、患者様の口腔内管理を始め、症例によってはこの混合歯列期から矯正治療を開始する必要があると考えています。また、治療の必要性について、検査だけでもしておくことが良い歯並びをつくる上で重要です。
1期治療と2期治療
まず、乳歯から永久歯に生え変わる途中の時期を歯科では「混合歯列期」と呼びます。
混合歯列期に行う矯正治療を「1期治療」(予防矯正、小児矯正と呼ぶ場合もある)、永久歯が生え揃ってから行う最終的な矯正治療を「2期治療」と言います。
1期治療が必要だと思われる症例
- 1期治療を行う事で2期治療が必要なくなる
- 1期治療を行う事で2期治療の質がより高くなる
- 1期治療を行う事で2期治療の治療期間が短くなる
- 1期治療を行う事で2期治療開始前にむし歯・歯周病、歯の外傷を予防する事が出来る
- 1期治療を行う事で2期治療開始前の上下顎骨の位置関係が改善できる
歯並びや噛み合わせの異常は、顎の大きさと歯の大きさのバランスが崩れていたり、上顎と下顎の位置関係が崩れているために起こります。これらの不調和を1期治療で悪化させない、あるいは改善する事が出来れば、2期治療を効果的に行えるため、1期治療を行います。
2期治療や最終的な歯並びに良い影響を与える1期治療を
1期治療は、将来的な2期治療や最終的な歯並びに良い影響を与えると判断した場合でなければ、むし歯や歯周炎などを引き起こすリスクも伴うため、安易に行ってはならないのです。
不調和の改善を1期治療で行っても改善できず、2期治療で全て改善できるのであれば不調和があっても1期治療を積極的に行う必要はないと考えます。
将来に影響する1期治療は矯正専門医院で
1期治療は使用する装置が簡便なため、専門的な知識の無い歯科医師でも簡単に行う事が出来ます。その反面、1期治療の効果は2期治療を充分理解していなければ予測できません。1期治療は最終的な2期治療やその後のかみ合わせも管理し予測できる施設、矯正専門医院が行うべき領域と考えています。
それでは次のページで症例を供覧しながら1期治療について御説明致します。